お正月に横浜に帰省したとき、お義父さん(嫁の父)から「これあげますよ」と鉄腕アトムの「ウランちゃんの巻」のDVDをいただいた(孫の名前の付いた作品をわざわざ探してきていただいたみたいで、ありがとうございます)。もちろんリメイク版ではなく40年前に放映された白黒のオリジナル版の方。さっそく娘たち(うーさん&ランさん)と一緒に見ることに。

俺は漫画の方は何度も読んでいたんだけど、実はTV版の「ウランちゃんの巻」をちゃんと見るのは初めて。しかし、漫画版の「ウランちゃんの巻」(原題:1/2人間)は実はかなりヤバいエピソードなのだ。
簡単にあらすじを説明すると、成り行きでロボットプロレスに出場する事にったウランちゃんが、キ●ガイ科学者に言葉巧みに連れ出され、体をイタズラ(「1/2人間」に改造)されてしまう。その後の描写が凄くて、家に帰ったウランの鼻すじを中心に体がパッカリと真っ二つに割れて断面からプクプクと泡が出て増殖するシーンは、軽いトラウマになりそうなくらい気持ちが悪かった。
さらに、体が2体に増殖したウランの片方がロボット・プロレスに出場するんだけど、パワーが半分になっているので、まったく歯が立たずメチャメチャに壊される。奇才手塚はこの描写にもまったく手を抜かず、子供が見ちゃイケないくらいヤバいシーンになっている。
「ウランちゃんの巻」(原題:1/2人間)より引用:

バラバラにされ、頭は割れ、目玉が飛び出しているウランちゃん....
#この「ウランちゃんの巻」のヤバさは、手塚研究の第一人者、倉田わたるさんの過去の日記でも熱く語られています。
<以上前置き>
そんなわけで、TV版の「ウランちゃんの巻」のDVDをかなりドキドキしながら見てる俺。
それにしてもこの日本初のテレビアニメーション番組は噂以上に動きがガタガタで「紙芝居」などと馬鹿にされていたのも肯ける。なにしろ通常のフィルムが1秒24コマなのに対し、鉄腕アトムは1秒8コマで作られているのだ、セルの使い方も貧乏くさい(というか本当に貧乏な制作費だったらしい)。
漫画版では「ウランの初登場シーン」と言うのはどこにも存在しなかったと記憶しているが(本当かどうかは知らないが、資料が残っておらず手塚もウランがどういう経緯で登場したのか覚えていないと書いてある)、TV版ではこの「ウランちゃんの巻」がウランの初登場の話に変更されている。アトムの誕生日プレゼントとしてウランが贈られるエピソードが追加されていた。
さて、ラストの問題のバラバラシーンなのだが、流石にテレビではマズいと判断されたようで、単にウランちゃんが「倒れているだけ」という無難なシーンに差し替えられていた。
いやいや良かった良かった、本当にホッとしたよ俺は(まぁ酷い話には違いないけど^^;)。うーさん(長女3歳)はわりと面白かったみたいで「またランさんの話を観たい」と言っていた。うーん、あまり心温まるエピソードじゃないからなぁ。でも「知らない人に付いていくと危ないぞ」と言う教訓は含まれている。考えてみれば、鉄腕アトムの設定(2003年以降)はまさに現代。科学はアトムの世界ほど発達しなかった変わりに「知らない人に付いていくと危ないぞ」と言うメッセージは当時よりも今まさに必要になっているというこの皮肉。なんだか複雑な気持ちになった俺だった。
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えっ? なんでそんな縁起でもないキャラクターの名前を娘に付けたのか?
疑問に思った人は、是非鉄腕アトムの傑作エピソード「地上最大のロボットの巻」を読むことをお勧めする。非情なロボットである殺人兵器(というか殺ロボ兵器)プルートの心を開いたキャラクターがウランなのである。アトムが力(と弱さの)の象徴であるなら、ウランは愛の象徴なのだ。リメイク版である浦沢直樹の「PLUTO」もオススメしときます。
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それとお義父さんDVDどうも有り難うございます、本当にとても嬉しかったですm(..)m
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